レポート -Reports For Doctors-

カイロプラクティックの安全性

カイロプラクテイックは安全か、否か。医師が患者に冒した過ちは、永遠に語られる。
例えば、温熱療法を患者にしているのを2時間もの間放置して火傷を負わせたり、電極治療でペースメーカーの許容範囲を超える数値を設定し、その機能に障害をもたらす事などである。また、手術後1週間の患者に所見で脊柱マニピュレーション療法を行なう事などもその例である。既にお分かりのように、これらの例には際限が無く、全て医師の過失や怠惰による結果である。

多くのカイロプラクティックドクターは、SMTを、特に高齢者に対して行なった場合、脳血管障害(CVA)を引き起こすことを心配している。CVAは不注意、又は明確な行為によって起こる事はない。これは、事故に関する統計的数値を分析し、CVA発生のリスクを判定する手段発見の必要性を示している。

SMTに関しての事故は実際に起こり得る。又、リアクションと呼ばれる後遺症も経験する事になる。ここで言うリアクションとは、患者が脊柱のアジャストメント後にその結果として痛みや、ある症状を呈する事で、これは、長期に継続されるものではない。1997年のJMPT(Journal of Manipulation and Physiological Therapeutics) には、以下のような記事が掲載された。
1858人の通院患者のうち、624人に以下のような結果が得られた

頭痛10%
倦怠感10%
吐き気又は眩暈5%

(Leboeuf-Yale C, Hennius B, et al: Side effects of chiropractic treatment, a prospective study. J Manip Physiol Ther October 1997; 20(8): 511-5)

全ての徴候は軽度で、自然に薄れていく。重傷者の報告はない。又、2/3は治療部に若干、小範囲の違和感を訴える事も記述すべきである。また、通常の場合、その症状は一日以内に解消される。しかし、著者は、たとえ1858人の患者を対象にしても、重度者の訴えを統計的に予測するには、不充分であると指摘している。しかし、それは一般的には、非常に稀なことである。

近年、カイロプラクテイックは、諸外国同様アメリカで注目を集めるようになった。カイロプラクティック分野で、脊柱マニピュレーションの研究も盛んになった。これらの研究の増加により、多くの人が持つ意見、噂や根拠の無い信念に対して答える事ができた。勿論、過去における予想外の質問は、脊柱マニピュレーションの安全性についてあった。脊椎のマニュピレーションの安全性は?この治療による障害発生の頻度は?又、死亡数は?

1978年、当時、従手医学の名医であったシリアックは、1,000万人に1人の割合で事故が起こると推定している。
(Cyriax J: Textbook of Orthopaedic Medicine. Volume 1, Diagnosis of Soft Tissue Lesions. Seventh edition. London: Bailliere Tindall 1972, 155,169)

1981年、ホクセによると、100万人に1人の割合で、CVAが起こる事を推測した。
(Hosek TS, Schram SB, Silverman H, and Meyers JB: Cervical manipulation. J Amer Med Assoc 1981; 2(45):922)

1993年に報告されたカーリの研究では、医療過誤データを基に、385万人に1人という数値を公表している。
(Carey PF: A Report on the occurrence of cerebrovascular accidents in chiropractic practice. Can Chiropractic Assoc 1993; 37:104-106)

1996年、文献研究の推定によるRAND研究では、146万人に1人、
(Coulter ID, Hurwitz EL, Adams AH, Et al: The appropriateness of manipulation and mobilization of the cervical spine. Published by RAND, Santa Monica 1996)
クロガートは、130万人に1人との推定値を出している。
(Klougart N, Leboef-Yale C, Rasmussen LR: Safety in chiropractic practice, part 1: the occurrence of cerebrovascular accidents after manipulation to the neck in Denmark from 1978-1988. J Manip Physiol Ther 1996; 19:371-377)

どの研究結果を取っても、事故発生平均数は約200万人に1人であろうと推測される。これは、障害や事故の数値で、死亡率数では更に低く、100万人に0.3人(1,000万人に3人)程度である。

医学治療においても、更に興味を引く結果が出ている。頚椎の手術における死亡率は100万人中6、900人である。
(Coulter ID, Hurwitz EL, et al: The appropriateness of manipulation and mobilization of the cervical spine, RAND Santa Monica California, Doc. MR-781-CR)

神経外科による頚部脊柱からの全身麻痺発生のリスクは、100万に対し15,000人という報告が成されている。
(Chapman-Smith D: The Chiropractic Report; From Rocha v Harris (1987) 39 CCLT 279, 283, 7(2):7, 1993)

1982年FDAは、背部や下肢の疼痛にキモパパイン注射を施行し、その死亡率は100万人に対して1,400人であると発表した。
(Fager C: The age old back problem: New fad same fallacies, Spine 1984; 9:326-328)

キモパパイン注射は椎間板の一部を破壊する酵素を含んでおり、それを椎間板に注入するという治療である。
理論上、この注射の効果とは、ヘルニアによる背部や下肢の痛みを解決するもので、これは、カイロプラクテイックの診療室で日常的に行われている治療である。この統計には、キモパパイン注射による慢性の背部痛の原因となる椎間板の損傷をはじめ、全身麻痺、神経損傷、脊椎などの併発症は含んでいない。

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医療過誤

医師の医療過誤保険の平均的金額を参考に、医療の安全性と健康管理についてまとめてみる。医療過誤に対してより多くの保険料を支払っている専門分野が、処置や診断、治療で過失が起こる可能性が高いことを意味すると言っても、過言ではない。

整形外科(診察・治療)3,135,400円
神経外科(診察・治療・手術)3.300,500円
神経学(診療・治療・軽度の手術)728,600円
診療所 (診察・診療)471,000円
整形外科(診察のみ)380,500円
カイロプラクティック(診察・治療)267,300円
(100円=1ドル)

(State of Louisiana, Bases on occurrence, OUM Chiropractic Program, 200,000/600,000, 1998)

上記の参考資料を見ても分かるように、カイロプラクターは治療と診断の両方を行なう。次に近値を示しているのが整形外科であるが、ここでは診断のみを行なう。これは、医師が患者に身体的な治療の部分で、関わる機会が無いということである。患者の診断のみを行なっていても、カイロプラクターよりも危険性が高いということである。カイロプラクターは患者の身体的な治療を行なう。ほぼ全ての通院患者の筋肉、関節、靭帯に治療を行なう。ある人は、この一つの事実を見て、カイロプラクテイックにおける医療過誤の発生数が高いものと思い込んでしまうかもしれない。この数値からも明確であるように、カイロプラクティックは、上記の専門分野の中で最も安全な健康管理方法なのである。

医学の医療ミスレート比較

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まとめ

アーノルド・シュワルネッガー主演の映画トゥルー・ライズで、胸元を掴み上げ、首を折れるまで捻じ曲げられた敵が、息絶えて床に崩れ落ちるとう場面がある。首が折れるまで捻じ曲げる場面は、他の多くのテレビ番組でも見られる。カイロプラクティックに来院する人が、このようなイメージを持って診察室に入るであろうと想像する事はたやすい事である。悲しい事だが、ドクターも同様にこのようなイメージを持っているのも事実である。このようなイメージを患者たち同様、我々もが怖れていてよいのだろうか?

事実、経験を積んだ、有能なカイロプラク―が行なった治療や検査行程で重大な事故が起こる可能性は、このカイロプラクターが毎週100人のアジャストメントを行ない、650年間働き続けて、1件という事になる。更に言えば、この事故を防ぐ手段は、カイロドクターには無いと言う事である。

更に付け加えるならば、明らかにドクターの経験には関係が無いという事である。診察や検査などで予測できる状況ではないのである。

これは、我々カイロプラクターが思い悩むべき事ではない。患者に危害を与える事を心配するのではなく、患者をいかに回復させるかについて注意を向けるべきである。

この章が、読者の感情的な行動や、根拠の無い他人の意見、カイロプラクティックに関して全く無知な専門家達の噂に惑わされることを防ぎ、論理的・理性的行動への動機付けとなると確信している。

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