頭痛/偏頭痛

2022.03.29

頭痛と偏頭痛

 

★★★★

ニルソン(Nilsson)達は1997年に、頭痛を訴える53名の患者に対して、無作為的な調整された臨床審理を行っている。
患者は2つのグループに分類され、1つのグループは、3週間に渡り、週に2回頸椎へのSMT (カイロプラクティック アジャストメント)を受けた。2つ目のグループは、深部マッサージとトリガー・ポイント治療を、同じ期間行った。結果は、SMT を受けたグループは、全体の36%に症状の軽減が認められた。深部マッサージとトリガー・ポイント治療を受けたグループには改善は認められなかった。

Nilsson N. Christensen HW. Hartvigsen J: The effect of spinal manipulation on the treatment of cervicogenic headache. J Manip Physio Ther 1997; 20; 326-330

 

★★★★

パーカー(Parker)は1978年に、偏頭痛に対するカイロプラクティック治療による効果を研究している。
オーストラリア大統領は、この研究を奨励しており、研究には、メディカル・ドクターもカイロプラクターと共に参加している。結果は、カイロプラクティック治療が直接的な効果を示した。

Parker GB Et al: A controlled trial of cervical manipulation for migraine/ Aust NZ j Med 1978; 8;589-593

 

★★★★

SMT は緊張性頭痛の治療法として、薬剤のアミトリプチリンとの比較検査が行われた。
研究は150名の患者を2つのグループに分けて行われた。治療は6週間行われ、その後4週間の安静期間が取られた。
約3カ月後、患者に治療結果を質問した結果、SMT を受けた患者の42%は頭痛頻度の減少と、32%に強度の軽減があったと報告している。
一方、薬物を投与された患者は、頻度と強度ともに平均6%の減少が報告された。

Boine P Kassak K, Et al; Spinal manipulation vs. Amitriptyline for the treatment of chronic tension-type headache. J Manip Phys Tere 1995; 18:148-154

 

★★★☆

ライト(Wright)は1978年に、優れた偏頭痛とSMT の関連を研究している。
研究には87名の患者を対象に行われ、成功率は74.7%と報告された。
この成功率は治療が終了してから2年後も持続していたことを付け加えておく。

Wright JS: Migraine: A statistical analysis of chiropractic treatment. ACA J Chiro 1978: 15(9);S63-67

 

★★★☆

レウィット(Lewit)は1971年に、メディカル・ドクターによるSMTを用いた頭痛患者への効果を研究した。研究は41名の関係者で行われた。
彼らは SMT が最も治療効果が高いと結論している。

Lewit K: Ligament pain and antiflexion headache. Eur Neurol 1971; 5:365-378

 

★★★☆

バーノン(Vernon)は論文の再考を行った所、全部で100題に近い論文の内、信頼性が高い研究は6題に過ぎなかったと発表している。頭痛治療の成功率は、75ー90%だと報告している。

Vernon HT; Spinal manipulation and headache of cervical origin. J Manip Physiol Ther 1984; 22:41-45

 

<コメント>

研究結果、研究量や質から考察すると、カイロプラクティック治療は、頭痛や偏頭痛に苦しむ患者に効果があると要約できる。
カイロプラクティック治療の適応は、マッサージやトリガー・ポイント治療、または薬物である アミトリプチリン等よりも卓越していると言える。