頸部痛/むち打ち症(首痛)

2022.04.06

頸部痛/むち打ち症

★★★★
英国医学雑誌(British Medical Journal)は、アイルランドのデュブリン(Dublin)にあるセント・ジェィムス病院(St. James)で行われた研究を報告している。
研究は整形外科学部で行われ、整形外科医とカイロプラクターで行われた。
そして研究は、61名のむち打ち症を負った早期の患者を対象に行われた。研究目的は、安静と頸部カラーで安定させた患者と、SMTと活動的なエクササイズによる治療を加えた患者との比較である。基本的には、安定と活動する治療のどちらが最も治癒効果があるかが目的であった。
結果は、 脊柱マニピュレーション治療(SMT)を受けた患者は、治療コース中、さらに研究終了後でも疼痛が明らかに大幅に減少した。
Mealy K, Brennan H, Fenelon GCC: Early mobilization of acute whiplash injuries. BMJ 1986; 292:65

 

★★★★
脊柱雑誌(Spine Magazine)は、39名の慢性的な頸部痛に対する盲目的に調整された研究を発表している。研究では、1つのグループは頸椎に対するSMTを施し、他のグループは SMT 治療を受けずに研究が行われた。3週間後、SMTを受けた57%の患者が効果を報告したのに対し、治療を受けなかった患者は28%しか効果を報告していない。

Sloop PR, Smith DS, et al: Manipulation for chronic neck pain: A double blind controlled study. Spine 1982; 7:532-535

 

★★★★

各種のレベルに頸部痛を訴える100名の患者を、2つのグループに分類して行われた研究が報告されている。52名の患者がSMTを受け、残りの48名は頸部に受動的な筋エネルギー・テクニックが施された。著者は、両方のグループ共に頸部の可動性が増したが、SMT を受けたグループには“頸部痛の強度が明らかに減少した”と要約している。

Cassidy JD, Lopes AA, Yong-Hing K: The immediate effect of manipulation versus mobilization on pain and range of motion in the cervical spine. A randomized controlled trial. J Mnip Phys There 1992; 15:570-5

 

★★★★

ケジュルマン(Kjellman)は、頸部痛を訴える患者に対する、27の無作為な臨床形跡を再考している。研究では理学療法、カイロプラクティック、経路療法、索引が再考された。彼はたとえ無作為的研究が最も適した観察方法だと考えられていても、多くの研究の質は低いと報告している。この例外は、理学療法とカイロプラクティックである。カイロプラクティックの研究では、肯定的な見解が明らかにされた。著者は信頼性のある研究が経絡治療や索引による治療研究でも認められたが、再考調査による研究結果は否定的、または頸部痛には効果がないと考察された。

 

★★★★
256名の関係者で、カイロプラクティックのSMTと理学療法、メディカル療法、偽薬との比較研究が行われている。研究開始直後、3週間後、6週間後、そして12週間後に調査が実施された。4種類の治療方法を比較した結果では、機能を比較すると、SMTが他の3つの療法よりも、最も早く、より大きな改善をもたらしている。

 

★★★☆
1999年の7月に、無作為的臨床審査の研究による経絡治療と、非ステロイド抗炎剤、そして脊柱マニピュレーションの比較が行われた。77名の患者が選出され、調査を明確にするために、患者は3つのグループに分類された:針を用いた経絡治療、非ステロイド抗炎剤、そしてカイロプラクティックによるSMTである。研究の中間地点となる30日経過した調査では、脊柱マニピュレーションが唯一明確な統計的効果を示した。他のグループは、明らかな変化を計測することが出来ずに終了している。

 

★★★☆
慢性的なむち打ち症については、英国のブリストル(Bristol)大学に属する整形外科学部で、93名の患者に対する研究が整形外科医学雑誌(Journal of Orthopedic Medicine)に発表されている。
93名の患者が慢性むち打ち症に苦しむ平均的期間は12カ月であり、彼らは各種の医師からカイロプラクターを紹介されている。
平均治療回数は4ヶ月間で19回以上である。著者は“カイロプラクティックが唯一慢性むち打ち症に効果を示す治療である”と要約している。
この研究は整形外科医が行っているため、偏りのない公平な研究だと言える。しかし欠点を指摘すれば、研究は無作為や先見的な目的ではなく、回顧的な研究であることにある。

 

コメント:

これが頸部痛やむち打ち症に対する、SMTの治療効果を研究した全ての論文ではない。
この分野は研究が進んでおり、今では治療効果などは余り論争されていない。
この中には、幾つかの価値のあるコメントが含まれている。まず一般的常識に反して、SMTが急性むち打ち症に効果があることが明らかにされている。またカイロプラクティック療法が、他の治療法と比較され、どの治療方法よりも優れていると結論づけられている。
また興味深い研究結果としては、頸部痛は牽引や経絡治療では、最も効果が低いという事である。